私はかつて、子供向けの英語教室で講師をしていました。
全国展開する大手の教室で、教材やカリキュラムも独自のものがあり、それに則って指導するという形でした。
この記事では、講師の経験から、見えていたものや感じたことをまとめてみます。
幼児英語教室ではどうやって学ぶ?
英語教育の低年齢化から、幼児のみならず1歳未満の乳幼児のコースも珍しくない昨今。
幼児向けの英語教室はどのように教えていくのか、効果は出るのか、通うべきかどうか悩む親御さんも多いと思います。
まず、私が指導していた教室では、3歳未満と4歳以上では保護者の関わり方が大きく違いました。
3歳未満では、レッスン内にも保護者は関わって頂き、親子が一緒に楽しみながら英語に親しむというスタンスで、時には保護者の方もお子さんに英語で声掛けをしたりしていました。
歌やチャンツ、絵本やパペットを用いて、日常で使う英語に親しんでいくという流れで、インプット重視の指導でした。
保護者の方としては、「せっかく習っているのだから、自分の子供の口から英語が出て欲しい」と思うものでしょうが、この段階ではアウトプットは無理強いせず、吸収させていくことを重視していました。
楽しくなければ通えない!
どんな習い事もそうでしょうが、「楽しい」と言うことが、習い事を続ける大きなモチベーションになると思います。
小学生以上になってくると、「できる!」「わかる!」と言うことも「楽しさ」の一つになりますが、幼児期には、お遊びのようにレッスンで「楽しむ」こと自体、また次に来るモチベーションになりえます。
保護者の方と一緒にクラスに入っている幼児期では、教室に連れて来てくれているお父さん・お母さんが楽しんでいることも、嬉しい要因の一つでしょう。
レッスンで一緒に楽しんだことを振り返って、お家でも保護者主体でやってみる。
これも英語を日常に取り込んでいく一つの方法だと思います。
3歳までは保護者ありきのクラス運営。
4〜5歳の幼稚園くらいの年齢になると、保護者はクラス内には入らず、お友達と英語でごっこ遊びに繋げたり、簡単なゲームをしたりして、楽しく英語に親しんでいました。
まだ机や椅子でのお勉強ではないですが、文字を覚えたり、単語を覚えたり、少しずつアウトプットにも繋げる指導に進みます。
幼児と児童の差
さらに、小学生以上の児童になると、成長に伴って、学校と同じように椅子と机でのお勉強スタイルに変わっていきます。
ここからは、いわゆる慣れ親しんだ「お勉強」の英語に近づいていくので、教室の様子も想像に難くないでしょう。
私の働いていた英語教室では、「聞けたものは言える」→「言えたものは読める」→「読めたものは書ける」と言うように、言語を習得する自然なステップを踏んでいました。
まずは「耳」から。小さい頃から英語を習うメリットの大きい部分は、「耳の良さ」にあると思います。
小学生以上になってからお教室に新しく入って来た子と、幼児から習い続けていた子の一番大きな違いは明らかに「耳」でした。
大きくなってからでは、日本語優位になっていることもあって、中にはどうしても日本語に頼りながら英語を覚えようとする子もいて、「先生、カタカナで喋って!」と言われた時は、軽くショックを受けました…。
幼児向け英語教室で効果を出すには
多くの英語教室は、1週間に50分程。1年間で50時間にも満たない計算です。
言語の習得に必要な時間は1,000〜3,000時間と言われます。
もし、そこに「通うだけ」で「英語が話せるようになる」ならば、それは素晴らしいと思いますが、圧倒的に時間が足りないでしょう。
好きなものこそ上手なれ。
子供が「英語楽しい!」「英語好き!」となってくれれば、自然に英語に触れる時間も増え、習得に近づくと思います。
学校でも、英語の授業は小学生から始まりますが、その時点で「分からない!」「間違うのが怖い!」「英語嫌だ!!」となってしまっては、本当にもったいないこと。
我が家では、「英語を聞き取れる耳」さえ育ってしまえば、ここの恐怖心は取り除かれ、英語好きの学習モチベーションに繋がるのではないかと思い、言語習得のボーナスステージである幼児期から英語を日常に取り入れる試みをしています。
英語教室では、必ずと言っていいほど、おうちでも英語に親しめるCDやDVDなどの教材があるはず。それは、「家でも英語に親しむ時間を作ってね」と言うことの裏返しです。
以前、保護者の方から「通ってるだけで英語出来るようになるんですか?」と言う質問を受けたことがありますが、「答えはNO」ですね。
当時は何と説明すれば良いのか分からず、うまく答えられなかった記憶があります。
教室でインプットしたことを家で定着させる。この流れがうまくいけば、きっと幼児向けの英語教室の意義は大きいものでしょう。
そして、それをうまく保護者に伝えることができる英語教室や先生に出会えれば、お子さんの「英語好き!」の第一歩を踏み出せると思います。

